少年の日の思い出

このタイトルで検索すると、ヘルマン・ヘッセが大量にかかる。


で、どういうことかというと、カート・ヴォネガット逝去について書いた時に、けいとさんから「これでいいのだ」のカテゴリを指摘していただいて、なるほど!と思ってふと思い出したのが、古い映画。若い帰還兵が田舎の学校にやってきて、村人たちと交流する、おそらく監督か脚本家の実際の体験に基づいた話だと思われ、東欧のどこかの国の作品だった。タイトルもうろ覚えで、試行錯誤しているうちに、やっと分かった。


その映画の中で、先生が使う言葉が、「さあ、次へいこう」だったような気がしている。苦しいことや悲しいことが起こると、先生はこの一言で子どもたちを励ますのである。

まあなんだかんだあるけど次いこ次・・・というとちょっとまあ、マジで話しているのに上役に言われたらヤだけどさ、考え方というか生き方としてはやっぱりコレだよな、と思う。私は映画のエピソードでは、学校で飼っていた豚を処分しなければならなくなって、子どもたちが豚のとさつに立ち会うのだが、その後でできたてゆでたてのソーセージに舌鼓を打つのを覚えている。このエピソードでもどこかで「さあ、次へいこう」というセリフが出てきたような気がする。コレが実話だとすれば、監督はこのにわか先生から、「さあ、次へいこう」というとても大切なことを学んだわけだ。



で、何とかこの映画の詳細を思い出そうと思って、ヘルマン・ヘッセを掻き分けているうちに、ここにたどり着いた。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/5631/toybox/unknown/unknown85.html

管理人さんはワタシと同世代で、この映画の感想を書いてくれている。思わず、掲示板に感謝の書き込みをしてしまいました。NHKのテレビで、85年に放映されたことが分かった。ワタシはたぶんこの再放映を録画したはずなのだが、残念ながらそれはベータだったようで、テープは捨ててしまったようなのだ。これは今見ようと思っても、DVDやビデオは発売されなかったようで、かろうじて見つけたのが日比谷図書館の16ミリフィルムの貸し出しリストである。コレ、借りて見ようと思うと・・・映写講習を受けて団体登録をしてから・・・うーん難しいなあ。またどこかで見られないだろうか。


ところで、かの大哲学者、カントの最後の言葉が「これでよし」である。


わが人生に悔いなし、みたいな意味だと勝手に思い込んで、かっこいい、と思っていたが、「これでいいのだ」と翻訳されていたらと思うとおかしい。で、さらに調べてみると、食べ物を受け付けなくなっていたカントを心配した弟子が、薄めたワインを飲ませたら、Das ist gut! (これはうまい)といって、まもなく息を引き取った、という話らしい。

これはこれで、とてもいいのだ。