坂田クン

缶コーヒーのコマーシャル。

「今度配属された坂田クンだ」「坂口です」

坂口クンを上役が紹介して回るのだが、何度直しても坂田クン。
ついに最後には、自分で「・・・坂田です」と言ってしまう。


わかる。


小学校6年生の時に転校した。体育担当のM田先生、とにかくコワイ先生だったのだが、
私の名前を「山田」だと思い込んでしまった。


タダでさえコワイのに、ワタシは運動が超苦手。
「ヤマダ!どっち蹴ってるんだ!」
サッカーの授業で叱られるが、
内心どうしたら思ったところにボール蹴れるのか教えてくれよ、と思いつつ、
「ヤマダじゃありません、○○です!」とは言い返せない。
しかも「ヤマダ」と呼ばれて一瞬頭の中で「ヤマダ?ああ僕のことか」と翻訳するので、
反応が遅れる。それでさらに「ヤマダ!なにやってんだ!」とポカッとやられる。


結局まる一年、M田先生はワタシのことを「ヤマダ」と呼んでいたが、
さて成績はどうやってつけていたのだろうか・・・