動物と子どもたちの画

pigloo のファンの方と、pigloo のアニメはかわいいのにハッピーフィートが気持ち悪いのはなぜだろう、ペンギンにありえない動きを強調しすぎるからではないか、という話題になった。やたら豪勢にこれでもか!と欲張るストーリーや映像が、フランスのエスプリでさりげなく楽しませてくれる pigloo の粋の対極にあるのも確かだが。


それでいまさらながらに、ワンボックスカーのCMに多い動物と子どもの映像やCGが気になってきた。昔、もっとも不愉快だったのは、CGではないが「モノより思い出」だったかな、そんなコピーで、子どもと出かけるヤツ。その「思い出」を作るのに、たぶん二百万円かそれ以上の「モノ」であるワンボックスカーを買えという。言ってることがわかんねーよ。子どもを出しにしてオヤジの弱みに付け込んでいるのか、はたまたでかい車が欲しいオヤジに格好の口実を与えているのか、いずれにせよ、お前んとこの車は二度と買わねーよ、と買う金も免許もないオレに思わせるに十分であった・・・痛くも痒くもねーか。ちょっと言葉が悪くなってる。


最近よく見かけるのが短時間でドラマ詰め込むのにやたらCGでありえないどたばた騒ぎを繰り広げるヤツ。東京タワーが増えたとか馬鹿じゃねーの、と一言で済ませたいのだが、妙に頭に残って気持ち悪いのが、チンパンジーの出てくるやつ。そいつの動きや表情が、じつに不気味。どこのなんと言う車だか忘れたが。で、動物や子どもの動きや表情を、CGでいじくったヤツって、だいたい気味が悪いのだが、そう感じる人は少ないのだろうか。昔、今ほどCGの技術が進んでいなかったころ、ビデオを逆回ししたり、同じ動作や表情を繰り返したりするのがよくあったが(分かります? 紙おむつのCMで、赤ちゃんが音楽にあわせて踊っているように見せたりするヤツ)、あれもイヤだった。赤ちゃんはそのまま、型にはまった動作をしないからこそかわいいのではないだろうか。


ところで逆に、「やられた!」とつい楽しんでしまったのが、いかにも人形っぽく作られた動物の人形が、いかにも人形っぽく動くやつ。クネクネ動く動物が気持ち悪いと感じて作ったかどうかは分からないけれど、わざとギクシャク動くので、いかにも人形劇を見ているような気にさせる。なんともユーモラスでスキだ。もちろんあれもCG技術の賜物なのだろうが、こうしてみると技術もセンスのうち、センスも技術のうちなんだなあと。あたりまえのことだが。


しかし困ったことに、この動物人形のコンパクトカーのCM、あの「モノより思い出」と同じメーカーなんだな・・・。