無題

 今は学習指導要領に縛られていないんですが、かつて高校で教員していた身としては、沈黙しているのが一番賢いと思うのですが、マスコミばかりでなく、知り合いのブログやら掲示板やら見ていると、どうも学校の分が悪いので、まあちょっとだけ言い訳しておこうかな、と思うわけです。独り言だと思って聞き流してください。すぐ消しちゃうかもしれませんが、その時はごめんなさいデス。

 乱暴な言い方をすれば、今回の騒ぎは、地震みたいなものです。少しずつ少しずつ歪がたまっていた。それが一気に来た。学習指導要領が、だんだんめちゃくちゃになってきた。現場の状況(受験対応ばかりが取りざたされていますが、現実には大学受験どころじゃない学校のほうが多い)からどんどん乖離していく。それを、だましだましやってきたんです。この騒ぎも、最初のうちは知らなかったととぼける校長もいた(いなかったっけ)が、そんなもん校長はもちろん、教育委員会は当然知っているし、文部科学省だって見て見ぬ振りしてきただけです。

 いろいろ御意見はあると思いますが、先の学力低下騒動のときも思ったのですが、まず「学習指導要領」読みましたか? そんなコムズカシイもの、と思うかもしれませんが、今問題になっている高校の学習指導要領は546円。ついでに小学校が252円、中学校が273円。どれもブックレット程度のものです。全部買ってもアマゾンで送料かかっちゃいます、安すぎて。教育関係者の誰もが、その内容にはなんら学問的根拠はなく、その時々の政界や産業界や学界や役所間の力関係で大きく左右されることを知っている。「総合的な学習の時間」だって、理科も地歴公民も全て選択科目になった(だから生物勉強しなくたって医学部いけたり、地学や倫理が絶滅危惧種になったりする)のに「世界史」だけ必修ってのだって、「情報」新設(教員がいないのに税金でパソコンはずらりと買いそろえられる)だって、国会で審議されるわけでもない。そういえば国旗・国歌法ができるより以前に国旗・国歌を指導せよと書いてあった。摩訶不思議な本、でもこれに表立って逆らったら裁判には負ける。でもでも、ウラではいろいろな意味でやりくりしないと、学校が成り立たない。さあ、どんな本なのか、ぜひお手にとってごらんください。学力低下論争の時だって、もう手遅れになってから学者が騒いだのです。

 こんな騒ぎに巻き込まれないために、学習指導要領ぐらい読んでおきましょう。国民の必読書になれば、きっと教育は変わります。フツーのヒトが読まないから(つーか教員でも読まないヒトもいるな)まかり通っている。今は学校もサービス機関、賢い消費者の目で選ぶ時代らしいです。そして、学校選びの時に、時間割見て、シラバス見て、おかしいと思ったらガンガン質問しましょう。保護者とマスコミには弱いから。学校、教育委員会文部科学省はみんなグルですが、でも騒ぎが大きくなるとハシゴはずされるのが現場です。教員の風当たり強いのにはもうだいぶ現場は慣れてきたでしょう。生活もありますからね。もともと教員ってものを好きなヒトが少ないですから、みんな矛先向けますけどね。でも・・・国民の皆さんが支持してきた教育政策の結末ですよこれは。それにしてもまたまた絶妙のタイミングででてきましたね。教育ナントカ会議、はりきっているでしょうね。

 ・・・あーあ、言っちゃった。自己嫌悪。消すかもしれません。そのときはごめん。