脱腸パート4

術後の経過も順調となると、暇になる。前回は回診のたびに消毒などしていたが、今回はそれもなし。大きな絆創膏貼ったままである。退院予定は火曜日だったのだが、抜糸がいらないので、月曜日や土曜日に退院しても良いという。

さて、寝て本読んでテレビ見て食って寝て、という生活である。そうそうテレビも見たいものがあるでなし、というか消灯が9時半なので、見たいかな?という番組はあまり見られない。CDは持っていったのだが、横になっていると案外、イヤホンが気になって聴けないものなのである。こうなるとやはり、読書は友である。SFなど何冊か持ち込んだが、一番の楽しみになった。そんなわけで読書更新しています。

食事も悪くはない。配膳車が良く出来ていて、お盆の左右で温かいものは温かく、冷たいものは冷たく保温されるようになっている。当然栄養は考えられているだろうし、味付けもまあまあ。朝食と昼食は2種類のメニューから選べるようになっている。ただご飯の量240グラムがちょっと多い。残すのも忍びなく(デブの習性)、売店でのりの佃煮を買ってきて、足りないおかずを補うことになる。またやはりどうしてもお十時、お三時が欲しくなる(またまたデブの習性)。退院の時には体重は変わっていなかった。

どうしても気になってしまうのが、同室の人々。24時間一緒にいるわけだから、直接言葉を交わすことは少ないけれども、医者や看護師との会話が聞こえてくるだけで、人柄がわかってしまう。これはさすがにあまり書けないが、わがままな人はいるものである。看護師、医者、見舞いの家族は一回ずつ聞けばよいが、こちらはそのたびに聞こえてしまう。しかもその内容が相手によって微妙に変えられていて、巻き込まれていくのが分かるのである。これには参った。あと二、三日いたら、キレそうだった。もちろん、いい人もいる。そういう人の会話は、聞こえてきてもほほえましい。さて、わたしはどんな風に同室の人たちに思われていたのだろうか・・・。

さて、売店におやつを買いにいこうとエレベータに乗ったら、入院患者数名、見舞いらしいお母さんと小学4年生くらいの女の子と一緒になった。
「何のにおいだろう?」
と女の子。確かに、ちょっと食べ物のようなにおいがする。
「・・・血のにおいかな?」
「!!!そういうことをいうものじゃありませんっ!!!」
お母さん大慌てである。私は可笑しくて噴出しそうだったが。

でもクレゾールぷんぷんしていた昔と違って、病院はにおいがしなくなったなあ。